コスト削減のカンどころ(2)-コスト削減の作戦を立てる
2022/06/28
税理士法人CONFIANCEです。
前回は「損益計算書」から考えるコスト削減についてのお話を書きましたが、今回はコスト削減計画を立てる上での作戦と注意したいことについてまとめました。
コスト削減の目的
「損益計算書」に基づいて行うコスト削減の最終的な目的は、地に足のついた収益力の確保と向上です。そのために行うことが、無駄な費用の見直しやコストパフォーマンスの改善など、「損益の改善」です。
まずは「損益計算書」を見直し、自社が「どのような事業でどれくらい儲けているか」あるいは「どのような事業でどれくらい損失を出しているか」を確認しましょう。そして自社の「販売費および一般管理費」の科目を確認し、どの科目がコスト削減につなげられるか考え、計画を立てましょう。
コスト削減の作戦は「各個撃破」
損益を改善するために必要な「コスト削減」を考えるうえで、まず、どの科目の費用をターゲットにするかを決めなければなりません。
「すべての費用」や「できる費用から」削減していこうという大まかな考え方だと、計画のハードルが上がりすぎてしまいます。計画性に欠けた作戦でコスト削減に挑戦すると、実行力不足になり期待した効果が得られない危険性があります。
まずは「ひとつの科目を、いくら削減するか」という目標を明確に定めたうえで、「どのように削減をしていくか」という対策方法を具体的に検討していきましょう。そして、ひとつの科目の削減に成功したら、次の目標を決めて新たな作戦を立ててから挑戦する。
つまり「各個撃破」の兵法で、確実にコスト削減を積み重ねていくのが得策だといえます。
コスト削減計画のつくりかた
コスト削減にあたって決めなければならないのは下記の4点です。
- 削減対象費用
- 削減目標額
- 目標達成時期
- 計画の責任者
削減対象の決定
1.
まず必要なのが、どの費用を削減するかということです。
販売費および一般管理費の科目のうち、削減することができないものや、削減することを避けたほうが良い科目もあります。
ではどの項目から改善すべきでしょうか?
コスト削減の可能性が特に考えやすい科目は次の10項目です。
- 広告宣伝費
- 役員報酬
- 従業員給与
- 福利厚生費
- 交際費
- 旅費交通費
- 通勤費
- 水道光熱費
- 事務用消耗品費
- 賃借費
上記の項目からどれを選出すべきかはその会社の経営状況によります。
また先述したとおり、複数のターゲットを選出してしまうと期待した効果が得られない可能性があります。同時にすべてのコスト削減の作戦を立てるのではなく、まず手を付けやすい項目をいくつかピックアップし、ひとつずつ確実に改善をしていく「各個撃破」の作戦を目指しましょう。
削減目標額の決定
2.
どの費用を削減するか決まれば、次に具体的な目標値を決めていきましょう。
ここで注意が必要なのは「○○○○円削減」といった目標額を決めるということです。
目標額を決めることで、その目標額に対する達成状況という形で具体的な成果が可視化されます。会社全体でコスト削減の成果を認識し、実感できることで、社員の意欲向上や意識改善に繋がり、より良い成果へと好循環が生まれるからです。
できれば「ひと月当たり ●●●●円削減」や「一人当たり ▲▲▲▲円削減」など、細かく決めるほうがよいでしょう。目標達成率が把握しやすくなり、ひとり一人がどのようにすればより良い成果に繋がるかということも考えやすくなります。
目標達成時期の決定
3.
削減する費用と削減目標額が決まれば、次に決めるのは目標達成時期です。
目標達成時期の決定にあたって、コスト削減の項目が複数ある場合は、優先順位を明確にしましょう。
例えば
- 3か月以内に達成すべきもの
- 6か月以内に達成すべきもの
- 1年以内に達成すべきもの
などといったように、メリハリをつけて達成時期の設定をします。
定めた目標額に対してどれくらいの努力や時間を要するか、あるいは、できるだけ早期に対応すべきものか、ゆっくりでも大丈夫なのか、などといった観点から、目標値の優先順位を考えましょう。
目標達成時期は短期間すぎると達成自体が難しく、また長期的すぎると中だるみをしてしまいます。目標達成までの過程をある程度想像しながら、決めていくとよいでしょう。
計画の責任者の決定
4.
削減すべき項目、目標額、そして目標達成時期が決まれば、最後にコスト削減計画をコントロールする責任者を決める必要があります。
コスト削減の計画をきちんと立てることはもちろん大切ですが、実行がおざなりになってしまっては意味がありません。達成状況をモニタリングし、状況に合わせて計画を調整することも大切です。
コスト削減計画のカンどころ
コスト削減計画を立てる上で大事なポイントは「各個撃破」と「具体的な計画づくり」です。
販売費および一般管理費の科目からコスト削減の計画を立てる上で重要なのは、「●●費から××円削減する」という具体的な目標設定を行い、各個撃破を目指すことです。
「削減項目」「削減目標額」「目標達成時期」「計画の責任者」の4点をきちんと定め、目標金額に対する達成状況をモニタリングしながら、責任者を中心にコスト削減計画のコントロールを行いましょう。そして目標達成を目指しましょう。
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